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“観光戦国時代で勝つ”
株式会社ノットワールド 河野有/Yu Kono

第11回 未来の旅行を考える (その3)

〜内容〜

[1] AIが旅行に与える影響

人々が常にインターネットに接続し、あらゆることを検索して決めていく中で、このような動きがありそうです。

  1. 旅行の自動提案
  2. カスタマイズ
  3. 音声化

少しづつ見ていきましょう。

※AI(Artificial Intelligence=人工知能)

① 旅行の自動提案
どのような層が、実際にどこに行って、満足度はこうだった、というようなデータが蓄積されてきています。そのデータを使い、ゲストの性別や趣味などから、最適な旅行先を提案してくるようになってくるだろうと思います。(ないしは、いくつかの写真から自分が好きなものを選んでいくと、それに応じた提案があるなど)。既にそのようなサービスもいくつか立ち上がりつつありますね。
もしかすると、明日ココに行ってみてはどう?みたいな短期的なものから、来年のバケーションは、ココにいったらいいのではないかな?みたいな長期的なものまで、データが溜まってきたら提案してきそうです。
それによって、自分が思ってもいなかった場所が推薦されて、行ってみたくなる、みたいな事が起これば、旅行のスタイルや意味合いが変わっていきそうですね。

② カスタマイズ
普段、SNSにつぶやいたり、何を検索しているのか、を携帯、PC、タブレット含めてコンピューターは知っています。(自分では認識してない部分もありますね)
一人一人の情報を基に、提案をしていくと、旅行はカスタマイズ化されていきます。大きな流れとして、団体旅行から個人旅行に変わってきていますが、それが、個人の希望に合わせて、もっともっと細分化していく事でしょう。
みんなと一緒の所に行く、ということではなく、自分ならではの旅行をデザインできたら、より楽しそうです。さらに大都市圏以外の地方に目が向いてくることが予想されます。
我々は、ゲストの旅行をカスタマイズすることが多いですが、現在だと、担当者が人力で対応するため、対応できる数も限られますし、人件費も載ってきます。高い精度で機械が対応できるようになると、より多くのゲストに、安価で価値を与えることができるようになるでしょう。

③ 音声化
代表的には、SiriやAlexaの台頭により、音声化の大きな変化の波が来ています。
人々はどんどん便利な方に変化して行くこともあり、そのうち、タイプすることも減ってくるかもしれません。(既に、物を書く事は格段に少なくなってきています)
人によるガイド、も自動音声化していく事が容易に想定できますね。
(ただ、音声での検索の課題は、検索の一番上の答えしか言わない点です。答えが画一化してしまう可能性も秘めています。それをわかった上で取り扱う必要があります。結局は人が賢くならねば、という点については、前回のコラムをご覧ください。)

[2] VRが旅行に与える影響

現在、Virtual Realityの世界も広がってきています。特に、ゲームなどの分野ですね。
これを旅行に当てはまるとどうなるのでしょうか。

例えば、遊園地や映画館だと、煙が出たり、椅子が揺れたりするのもあります。
行かなくても、行っているかのように360度見渡せたり、五感を使って体験することがどんどん可能になっていく事が考えられます。リアルタイムに感じられることが出来たとすると、VR旅行が現実味を帯びてきます。

人によっては、それで十分だ、と思う事もあるでしょう。
一時期流行った、セカンドライフ、のような考え方ですね。
特に、スタンプラリー的に、ハイライトのみを巡りたい、という方からすると、それで十分かもしれません。
(現に私が世界一周中に聞いた話ですが、検索してYoutubeやブログを見ただけで満足してしまうタイプの旅人の方もいたそうです。(ずっと宿にいたらしい。。))

このような機能が出てくると、第9回で触れた、『旅行でローカルに触れる事』が重要になってきます。
VR旅行は、今までの旅行という事ではなく、新しいジャンルとしてもいいかもしれません。

ただ、身体的や金銭的な理由で旅行ができない人にとっては、素晴らしい体験になるのではないかと思います。また、ライブや、スポーツなどといった、座席などのキャパシティが限られているもの等に関しても、非常にニーズがありそうです。

この分野が発達してくると、現実の世界と、仮想現実の世界との区別がつきにくくなってきますね。
(今のゲームのリアルさにもびっくりします)それでは表現しきれない旅行の醍醐味って、何でしょうか。

[3] 結局旅行って、人だ

ここで、改めて旅行の醍醐味について考えてみます。
皆さまは、【旅と旅行の違い】は何だと思いますか?

私の印象では、旅は、『移動やトラブルも含めて、現地のローカルとの触れ合いを感じ、楽しむ』のに対して、旅行は、『移動よりも、より現地での体験にフォーカスして、文化を感じて楽しむ』に重きが置かれているように思います。
時間の制約、一緒に旅する人などの条件から、一概には言えないのですが。
上記の話に沿っていくと、私は、子どもが出来て、明らかに『旅』が『旅行』になったな、と感じます。
どちらが良い、悪い、ではなく、旅のスタイルが大いに変わった、という意味です。

ただ、どちらにしても、ハイライト観光地に加え、【現地の人の暮らし、偶然の出会い、ストーリー】は、キーワードになってくると思います。
これだけテクノロジーが発達した今だからこそ、現地に行かねば感じることができない雰囲気、偶然の人との交流を楽しめたらよいですよね。

テクノロジーだけでは解決できず、生身の人間だからこその価値を出していこう、と日々思っておりますし、それこそが旅行の醍醐味と思っております。

ストーリーテラーかつ、エンターテイナーの能力は、全国民に必要な能力となっていきますね。
一緒に頑張りましょう!

次回はついに最終回!「まとめ」をお届けします。
ご期待ください。

以上

ご意見やご感想があれば何なりと連絡をください。必ずご返答差し上げます! →info@knotworld.jp

・執筆者:河野 有、ノットワールドについてはこちら