最前線からのインバウンド新常識!
“観光戦国時代で勝つ”
株式会社ノットワールド 河野有/Yu Kono

第7回 ガイド業の超基礎(その2)

前回に続きまして、ゲスト満足に必要な3要素である、コンテンツ・デリバリー・プロモーションから、デリバリー部分にフォーカスしてお届けします。
デリバリーは、提供の仕方によって変わってきます。
ツアーを催行している弊社では、【ガイド】となります。

*ツアーによっては、オーディオガイドや、ガイドマップ自体になることもあります。
【ガイド】は、せっかく作ったコンテンツをゲストに伝達する場面で、非常に大事なパートです。
はっきり言って、この部分がツアーのすべてを左右すると言っても過言ではありません。
どんなに素敵な商品でも、ガイドが悪いと台無し。一方、どんなに酷い商品でも、ガイドが素晴らしいと挽回できたりします。
そこまで重要なガイド業の超基礎、その2回目をお楽しみください!

今後の予定は、

  • プロモーション:1回
  • 読者の疑問にお答え・未来の旅行を考える:3回
  • まとめ:1回

〜内容〜

*前回(その1)では、3つの愛とガイド、という仕事について書いてみました。今回は、もう少し踏み込んだ内容となります。

[1] ガイドは全方位外交すべし

全方位外交、と書きましたが、ガイドにとっての全方位って、どのような人があたるのでしょうか。考えてみましょう。

最初に考えられるのが、『ゲスト』ですね。その他に『観光地やバスなど交通機関の関係者』、そして仕事をお願いされている、『エージェント』があります。最後の一つは、ちょっと難しいかもしれませんが、我々もベテランガイドさんから聞き、大いに納得した『ガイド仲間』です。この4つの人々について、それぞれにしっかり対応しよう、というのが最初のテーマです。

まず、『ゲスト』への対応は当たり前で、一番大事です。何を話すべきか、という点は、次の章で書きますね。

次に、『観光地やバスなど交通機関の関係者』です。前回書いた、「3つの愛」を覚えていますか?その2つ目、「観光地への愛」を思い出してください。
ガイドという商売は、見せるものがしっかりしていないと、商売になりません。観光地の関係者、そして交通機関関係者と仲良くしないと、ツアーそのものが成り立たなくなってきます。ガイドさんが、現地のおじさんに怒られているとか、ゲストからすると、嫌ですよね・・・

そして『エージェント』です。旅行会社の私が書くのは気が引けますが、メールや電話のコミュニケーション一つで、一緒に仕事したくなる人かどうか、かなり明快に伝わってきます。(我々も300人以上の方々と連絡してきましたが、本当にすぐわかります。)

『エージェント』としては、すごく大事なゲストをお任せし、ツアーの良し悪しが決まってくるガイドの部分は、信頼できる素敵な人にお願いしたい、というのが心情です。私たちとしては、「3つの愛」を持っている方をベースに判断します!

最後が『ガイド仲間』についてです。私たちの中でも、一番長いお付き合いをさせていただいているガイドのNさんは、よくこうおっしゃいます。
“私は、東京のガイドを世界一にしたい!そのためには、自分ひとりでは絶対に無理だ。だからこそ、横で協力し合って、レベルを上げる必要がある!!”と。

ガイドさんって、自分で得た知識などを、つい独り占めしてしまいがちです。ただ、それもオープンにして共有しあうことで、自分たちの底上げになる、という考え方は本当に素敵だと思います。

また、その方が駆け出しのころは、友人が病気で急に行けなくなったガイドさんのヘルプに入ったことがきっかけで、旅行会社と直接のつながりができ、直接発注が来るようになった、という話も聞きました。
ガイドは孤独な職業。横のつながりを持っておくことはとても大事です。

[2] ガイドがしゃべるべき「3S」とは?

私たちは何かにつけて、「3つの愛」と、この「3S」について語っていますので、既に聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

この図が全てです。

  1. ゲストの聞きたい事を絞る必要があります。
    話す内容は、ゲストが興味あり、まだ知らない事をしゃべらなければなりません。
  2. ゲストの聞きたいという内容に合わせて、ガイドはしゃべる内容を調整する必要があります。
    自分の持っている知識から、話す内容を選び出し、ちゃんと伝えてあげます。
  3. そうすると、ゲストは「3S」の反応を起こすのです。

さて、「3S」とは何でしょうか?
(2つはSから始まる単語で、1つは2単語の熟語。2単語目がSから始まります。)

答えは、以下の3つです。

  1. Smile(ウケる)
    やっぱり、ゲストは楽しみに来てるのですから、笑いがおきる事は、非常にポジティブですね。
    むっつりしてツアーを終えるより、ずっと笑って終わったほうが基本的にはいいはずです!
  2. Surprise(マジ!?)
    ビックリさせることも大事です。ゲストがマジか!?という反応をすること。
    日本と自国との文化の違いを楽しく伝えてあげることが大事でしょう。
  3. make Sense(なるほど)
    これは、かなりゲストがおっしゃる言葉です。
    意識しないと、ガイドさんはこのSのみのトークになってしまいます。それではもったいない。
    ①②のSも合わせて伝えるともっといいツアーになるはずです。

以上が、ガイドがしゃべるべき3Sとなります。
こういった内容を積み重ねていくことが、ガイドの価値を出すことにつながってきます。
どんどんネタを貯めていきましょう。
ただ、自信があるときも、常にゲストの顔を見ながらしゃべること。暴走してしゃべりすぎるのはNGですよ。

[3] 想像力と、対応力を磨き続けるべし

ツアーは、同じ内容だったとしても、実は毎日違います。天気が違いますし、ゲストも毎日違います。そして、観光地の様子も微妙に違います。

ガイドさんが成長していく中で、一番大事なのは、しっかり自分のガイディングを振り返ることです。
例えば、その日のガイドを、以下4つに分けて考えましょう。

  1. 想定していたし、実際できた。
  2. 想定していたけど、実際できなかった。
  3. 想定してなかったけど、実際できた。
  4. 想定してなかったけど、実際できなかった。

①に関しては、まったく問題ないですね。しっかり準備をした証です!素直にほめましょう!
(こう伝えたほうがよかったかも、という反省はした方がいいと想います)
②は、ちょっと困ります。
なぜ想定していたのにできなかったのかを、反省して絶対に修正しましょう。
何らかの想像力が甘かったのかもしれません。
③は、ラッキーパンチですね。
ただ、対応力が高い人なら、だいたいのイレギュラーには対応できているはずです。
④は、やむなしですね。

ここにあるように、できる限り【想像力を膨らませ】、【対応力を養う】ことが、いいガイドさんになっていくための基本です!!

これを日々繰り返していくと、新人のガイドさんでも、とある場所や分野においては、簡単にベテランさんを超える価値が出せるはず。
それを繰り返して自分の守備範囲を拡げていきましょう!

次回は、「プロモーション」についてお届けします。お楽しみに!

以上

ご意見やご感想があれば何なりと連絡をください。必ずご返答差し上げます! →info@knotworld.jp

・執筆者:河野 有、ノットワールドについてはこちら