最前線からのインバウンド新常識!
“観光戦国時代で勝つ”
株式会社ノットワールド 河野有/Yu Kono

第2回 そこに愛はあるのか?

昨年12月より、 [最善からのインバウンド新常識] と題しまして、全12回のコラムをスタートさせました、株式会社ノットワールドの河野有です。
新年あけましておめでとうございます!本年もよろしくお願いいたします。お正月からバリバリ頑張っております。
インバウンドの現場から見た現在の観光による地方創生は“???”となる事があまりに多いので、少しでも皆様のためになればと思い、日々弊社メンバーで討論している内容を、12回シリーズで書いて参ります。その第2回目をお届けいたします!

今後の予定は、

  • 現在の地方創生に関する疑問や提言:次回で完結
  • コンテンツの作り方や磨き方:2回
  • ガイド・接客の心得:2回
  • プロモーション:1回
  • 読者の疑問にお答え・未来の旅行を考える:3回
  • まとめ:1回

〜内容〜

[1] 本当にインバウンド観光をやりたいのか?

私はいろんな人とお会いした際に、よく聞きます。『皆さまご自身、本当にインバウンド観光をやりたいと思ってますか?なぜインバウンドなのですか?』と。

前回にも書きましたが、地方創生は国のテーマという事もあり、補助金・助成金など、国の多くのお金が充てられています。そのお金を求めて、色んな人たちが集まってきます。インバウンドと言えばお金が落ちてくるように考えている人たちもたくさんいます。そういう人たちを見極めるため、自治体・DMOの方には、今一度振り返って欲しいのです。観光といえば、日本人ターゲットでもいいのに、なぜ訪日外国人なのでしょうか?地元の方は、本当に外国人に来て欲しいと思っていますか?
少なくとも、ご自身に”愛”はありますか?例えば、現在既に来てくれている中国人がいるのに、その人たちではなく、欧米豪の人に来て欲しい、とか言ってませんか?

今いる人達を満足させられずに、どうやって他の人を満足させることができるでしょうか…。実際、私が思うに、観光商品(コンテンツ+ガイド)に関していえば、日本人に対してもまだまだしっかり価値が出せていない事が多いです。何が自分たちの付加価値なのか?についても振り返って考える必要があります。「新・観光立国論」の著者デービッド・アトキンソン氏がよくおっしゃいますね。土日&団体バス、の工場作業員のような観光はもう終わり。ベルトコンベアに載せられた商品で満足する人は少なくなってきていますし、集団でワーッ!と来る訪日外国人を、観光地側は裁くだけで手一杯、という状況では、個人旅行者のニーズに対応するのは難しいでしょう。

[2] 立ち上げに本当に一番必要な要素

第1回のコラム内で、観光の立ち上げには三つ要素が必要と申し上げました(①コンテンツ(情報・商品)②デリバリー(伝達)) ③プロモーション(発信)。実はその前段階に必要な要素があります。

お金と時間をできるだけ無駄にせず、そして自分たちの道を真っ直ぐ進むために必要なもの、それは『本気で取り組むのだ』という気持ち、です!その気持ちがあるからこそ、いろんな工夫やアイデアが出てきます!(通常のプロジェクトでも同じですね)
そしてその気持ちをもって、計画を立てる事こそが大事です。最初はざっくりでもいいので、長期での計画を立てましょう。ターゲットは誰なのか?何を売っていったらいいか?誰がやるのか?なぜやるのか?いつやるのか?どこでやるのか?などなど。

3年後にこうなりたいから、今年はこれをやり、来年はあれをやる、という風に組み立てないと、毎年毎年の予算でなんとなく思う事をやっていては、無駄が多すぎます。そして、その中期計画も、自分のお金を使うくらいの気持ちでいないと、大変な事になります。

例えば、『A市がプロモーションビデオ作って、バズっているらしいから、ウチも是非作ろう!』という話、聞いたことあると思います。ビデオを作って、たまたま多くの人が見て、ゲストがたくさん来てくれたとします。実際に外国人が来たら、受け入れ態勢が皆無で楽しめなかった、という事にならないよう、注意しないともったいない。我々は、発信するのは、ある程度ゲストが来て楽しめる環境が整ってからの方がいいと思います。観光客が個人旅行化し、さらに個人が発信力をもっている時代に合わせていきましょう

[3] 観光は人が全て 〜地域おこし協力隊に関してのご提案〜

ココまで書いてきて、すでに伝わっているかと思いますが、観光は人が全てです。正しい想いを持った方が1人でもいれば、少しずつでも進んでいくでしょう。ただ、地方においては、そもそも観光人材が足りないという問題もあります。役所の方も、人事異動の事を考えると、なかなか長期で取り組むのが難しい面もありますね。そんな問題をうまく解決するために、『地域おこし協力隊』が一つのキーとなる、と思います。彼らがより輝くために、何があるとよりよいだろうか、とよく弊社内で話しています。

『地域おこし協力隊』とは
人口減少や高齢化等の進行が著しい地域において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図る事で、意欲ある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていく事を目的とした国の制度です。

まずは、ミスマッチを減らしたい。協力隊の方のやる気がある業務や、もっているスキルと、自治体の期待する業務が違う、というのは、一番もったいない。例えば、本人は観光をやりたかったのに、自治体側は地場産品販売をやって欲しい、など。協力隊の方からすれば、移住・定住がからむ、文字通り人生をかけた取り組みです。そのマッチングを、より相思相愛の形に持っていきたい。

そう思っている我々からの提言は、コチラ。『インバウンド観光人材を求める自治体は、スキルを習得した、即戦力の「地域おこし協力隊」の方を呼びませんか??』

最近、『即戦力が欲しい』という転職CM、よく見ますが、我々が培ったインバウンド観光のノウハウを、「地域おこし協力隊」の方にお伝えし、即戦力となった方が現地に行くことで、任務中に成果が出せるはず!と考えます。もしご興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

さて、人材の話も出たことで、最後に弊社の抱負の一つをご紹介させてください。それは、『観光人材の学校』の創設です。ツアーガイドやコンテンツ造成にとどまらない、観光関連のスキルを学び、現場に出て実践していく事が出来る学校をやりたいと思っています。観光は人!愛のある人の力で、日本の観光を変えて行きます!という抱負で新年一発目を締めくくらせていただきます。

本年もよろしくお願いいたします。

以上

ご意見やご感想があれば何なりと連絡をください。必ずご返答差し上げます! →info@knotworld.jp

・執筆者:河野 有、ノットワールドについてはこちら